戦国策 趙(ちょう)編 相手の価値を認める 2018年09月29日 戦国策 0 士は己を知る者のために死す 晋滅亡の直前、知伯(ちはく)を逆に倒した趙譲氏 (ちょうじょうし)に腹心予譲(よじょう)が 一矢報いようとするお話し。 三晋(韓氏、魏氏、趙氏)が、知伯を倒した。最も知伯を 憎んでいた趙譲氏は知伯の頭蓋骨を便器とした。 山中に逃れた予譲はそれを聞きため息をつきながら 「士は己を知るものの為に死に、女は己を愛する者の 為に化粧をするという。この恨み必ず晴らす。」 知伯は悪名高い男だったが予譲にとっては自分の価値 を認めてくれた主君であった。 名前を変え受刑者にやつして譲氏の宮殿でトイレの 壁を塗りながら刺し殺す機会を狙った。 譲氏は殺気に気が付きとらえさせた。 周りは殺すよう言ったが「義士だろう。私が気を付ければよい」 といい、釈放した。 次は体に漆を塗り、かぶれさせ、眉をそり、髭を剃って、顔を 刃物で傷物にし、炭をのんで喉を潰した。 橋のたもとで譲氏を待ち受けたが、馬が驚き見つかってしまう。 予譲はとらえられた。趙譲氏は予譲に対して責めた。 「お主は、范氏、中行氏にも仕えたであろう。その二人を 滅ぼしたのは知伯ではないか?主君であったものを殺した 知伯には牙をむかずに仕え、知伯の仇を注ごうとワシをねらう?」 「確かに二人には仕えたが待遇は粗末であった。 それなりに仕えたまで。知伯には国士として迎えられた。 国士として報いるのが普通であろう。」 予譲の言葉に趙譲氏は感動した。 「ああ、知伯に対する申し訳は十分たった。 許せるだけは許した。これ以上は許せぬ。覚悟してくれ予譲よ。」 「一度私を許した。天下の人はこぞって貴方の徳を讃えている。 私も喜んで死のう。ただその前にあなたの衣服を斬りたい。 是非にとは申さぬ。」 その心意気に感じ入った趙譲氏は衣服を予譲に渡した。 予譲は飛び上がり衣服を3度斬り、 「これで知伯にも報いることが出来た。」といい 自害したという。 すさまじいまでの逸話ですね。何としてもという気迫が伝わってくる 話でした。相手を認めると言葉にするのは簡単ですが、 真の意味で認めるというのもなかなかできないですよね。 水魚の交わり、刎頸の友なんていう言葉もありますが、 ぜひとも覚えておいて少しでも人を認められる人物を目指したい ものですね。 [0回]PR